2002/2


 2/27(水)
■S高校は、期末テスト中であり、今日もテスト監督をやりに学校へ行く。とてつもなく眠い。ちょっと目を瞑るとすぐに眠りに落ちてしまいそうだ。今日も3度ほど意識を失ってしまった。たった50分がものすごく長く感じる。ちょうど数学の試験だったので、生徒に色々ヒントを出したり、答案の間違いを指摘したりして、どうにか眠気を断ち切る。本当はそんなことしてはいけないんだけどね。眠いから、何かやってないと。彼らの成績は多分きっとよくなるはずだ。それが僕の眠気のせいだなど、誰も考えもしまい。
■それと食べても食べてもすぐ腹が減る。昼寝をしてもすっきりしない。あ、これは神経の調子がよくないな、と分かる。元気だけどね。
■午後は、下北沢の「劇」小劇場へ。補修中の場内を見せてもらう。駅前劇場でたまたまKAKUTAが仕込み中だったので、一升瓶を差し入れ。
 2/25(月)
■バタバタしているうちに、「水の中のプール」も終わった。本番中、ほとんどやることはなかったが、神経的な消耗は激しい。それでも劇場に毎日通い、いろいろなことを考え、俳優や観客と話しをし、嬉しい意見には勇気を与えられ、厳しい意見には課題を与えられた。しかしこれで死んでしまうわけでも、何かが終わるわけでもない。
■すでに次の公演のことで頭がいっぱいだ。余韻も何もあったもんじゃあない。創り続けるということは、こういうことなのだ。一番興味があるのは、俳優の身体と、戯曲における物語のこと。考え続けることの中からしか、新しいことは生み出せない。演劇表現について、考えるしかない。そう決意を迫られた公演だった。
■また色々な人にお世話になった。
■とりあえず戯曲を書く。本格的に暖かくなる前には書いてしまおう。春は多分駄目だと思う。今度は船の中が舞台になる。
 2/19(火)
■バタバタしているうちに、もう今日から劇場入りだ。S高校で授業を終え、アゴラに向かう。それから退室まで、ほとんど何もせずに時間を過ごす。舞台では色々なスタッフが仕事をしている。ただボーっと見ている。
■まだまだ予約は受け付けています。ぜひ見に来てください。待ってます。
 2/16(土)
■今日から中野MOMOの稽古場へ。ポケットもMOMOも劇場では公演が行われており、そうすると、演劇を創っているという感覚が強くなる。
 2/15(金)
■S高校へ。3、4限と授業。
■稽古は本日から昼夜稽古に入る。19:30頃稽古場へ。二回目の通し。完全にお客さん状態で見る。俳優から語られる言葉が自由になってきた。これは演出で動きに制限をしたからで、身体が語り始めると、自然に台詞が自由になる。
■台詞と身体は密接だ。理想は、一言も台詞がなくても成立する演劇表現なのであり、これは自らが劇作を行うことと矛盾するようだが、こういう演劇というのを見てみたいのだ。ダンスでも舞踊でもなく、演劇として。
■観客にとっての台詞は、舞台から発せられる重要な情報を含んでいるのは確かだが、普段人と話をするときに、相手の目や仕草でドキッとすることの方が多いように、台詞より、俳優の身体から発せられる情報が、ダイレクトに伝わるはずである。頭では理解できるが、これをカタチにするのは大変難しい。すべての演劇人の、なんというか目標だとも思う。
■言葉と身体。これについて考えることはやはり避けられない。身体とは、何も特別な訓練の後に獲得できるものだけを指さない。俳優が存在することは身体がそこにあることである。では、俳優が獲得すべき身体とは結局何なのか。演劇に必要な身体とは何なのか。これは演劇活動における重大なテーマである。
 2/14(木)
■本番前、最後の国分寺授業。これでしばらくお休み。
■昼間、大山の街を少し歩く。歩くたびに発見するのが、変な名前の飲食店と、迷路のような路地である。前者の「変な名前の飲食店」は、もう本当に凄い。学生時代に一度「変な名前」としてバイト仲間で話題になった「ハンサムラーメン」は家から5分くらいの所だが、それを超えるネーミングも少なくない。
■ところで「ハンサムラーメン」は、味がよくないと当時噂されていたが、このあいだ深夜に中をのぞくと結構繁盛していた。しかし看板にある「ラーメン居酒屋」というのが、なんというか、危険だ。せめて居酒屋の文字がなければ入ってみてもいいんだけど。
 2/13(水)
■久しぶりにS高校へ。職員室は笑ってしまうくらいみんな風邪を引いている。生徒にも風邪は多く、換気をせず、気持ち悪いくらい暖房を効いた教室は、風邪をもらうには絶好の環境なのである。
■夜、中板橋で稽古。さあ、本番が近づいてきた。
 2/12(火)
■土曜にアゴラへboundを観に行ったあたりから調子を崩す。連休の開放感からか油断をしてしまった。身体は素直というか正直というか。お陰でゆっくり寝る。
■レンタカーを借りてS高校へ。授業は入試の代休でなし。不要になった生徒用の椅子を12脚もらいに行く。
■夜は中板橋の小学校で通し稽古。派手さはないが、力強く、本質に近づいていきそうな気配をびんびんと感じることができる。
 2/8(金)
■三年生の授業がないので、今日は3限から。相変わらず落ち着きのない二年生。三年生ももちろん駄目だったが、今の二年とは何か違う。この差を説明するのは大変難しい。それでちょっと三年生を懐かしいと思った。
 2/7(木)
■夕方国分寺へ。授業。
■夜、RED PLANETをDVDで観る。
 2/6(水)
■S高校で授業後、昼食もそこそこにアゴラへ向かう。POP THEATERのマチネを観るためだ。代表の久保田さんは、以前のサミットフォーラムにも山口からわざわざ出席し、いろいろ話をしたのだった。作品は女性二人の二人芝居、脚本はMONOの土田さん。地方の劇団には仕方ないが、舞台装置に関してやはり安っぽさは否めない。暗幕、そしてパンチカーペットの床。いくら劇場が舞台とはいえ、もう少し何とかしないといけない。サミットは、東京だけじゃあなくこれからも地方の劇団の参加もあるだろうが、集客と同時に、この物理的な問題をどう考えればいいのか。
■前売り2500円。上京というリスクは、見る観客にはあまり有効な返答にはならない。これは私たちが地方に出て行く時にも一番最初に考えねばならないところだ。
■すぐに三軒茶屋のシアタートラムへ。プロジェクト・ナビに折り込み。初の関西方式を体験。慣れていないせいもあるが、関東方式の方がいいように思う。
■夜は稽古場へ。何となく停滞したような空気が流れている。でも別に焦る必要はない。ゆっくり確実に進むべきだ。
 2/4(月)
■S高校で授業。何となく教室がざわついている。三年生がもう登校をしていないので、ちょっとだけ二年の心に余裕が生まれたのかもしれない。いずれにせよ、ざわついている。こういう時は、こちらが大声を出しても逆効果であるらしく、出すとしても全体に向かって声を発するのではなく、特定の個人名を挙げてから、注意をするとうまくいくようである。しかし相手は高校二年の男ばかりの45名だ。一人で何とかできるわけがない。黙々と黒板に数式を書き、前の何人かに「今日はうるさいので、あまり喋らないから、その分黒板に沢山書く」と言い放ち、それで約束通り沢山書く。
■夜、高田馬場へ稽古。普段演出をやっていると見えてこない、俳優のとまどい、演出家とのコミュニケーションの必要性、言語と感性、段取りと行動の違いがよく分かる。
 2/2(土)
■S高校で授業。
■夜、アゴラ劇場で夢ORES「水槽の底に沈む海」を見る。装置の後方が暗幕で処理してあり、あれを何とかしないといけない。せっかくの装置も、何となく安っぽくみえてしまう。ただ、舞台の最背面の処理というのは、自分がプランを考えるときにも一番困ってしまうところであり、それでも代替案としてパネルで覆うくらいの知識とセンスしかないことをいつも憂う。
■終演後、駒場で詩森さんと色々話し、再びアゴラへ。みなさん宿泊中だと思いビールなどを差し入れるが、5Fの稽古場には誰もおらず。方々散らばって飲んでいるらしい。それでしばらく待ち、ようやく戻ってきた俳優の方にビールを預けて帰宅。アゴラの5Fはまるで合宿所のようであった。
 2/1(金)
■S高校で授業とテスト監督。
■午後、自宅で一人孤独にDM作業。